生活保護受給後の暮らし~よかったこと~

2022.03.30

暮らしで良かったこと

体験談①

時間が出来たのはよかった。

確かに保護費の額は潤沢とは言い辛いし、お金を使う楽しみみたいなのはもう殆ど出来ない。
でも私は散歩や図書館に時間をかけれるのが嬉しい。
特に散歩は大好きで。散歩ってこんなにクリエイティブなのか!って。道で見えるものや行き交う人を通して土地のことを知れるのも楽しい。自分のために時間を使えるようになった。

家族が病で倒れたのだけれど、必要な手続き、ケアについての勉強を丁寧に出来た。
よく考えて判断することが必要な事態だったのだけれど、悩むというのは体力的にも大変だから。
仕事で忙しくしている頃だったら自分の生活で目いっぱいで今と同じような対応が出来たかは疑問。

体験談②

手続きとかで接して感じたけれど、役所の人は想像してたよりずっと親切。
私は手続き作業がすっごく苦手だけど 役所の人が教えてくれる。
役所の人は日頃から色んな市民に応対してるから、そういうのも慣れてるみたい。

生活保護を受給してから、今までとは違う生活の時間やスタイルにしていくには時間もかかった。以前は何もできない自分を責めていたけれど、今は何もしなくていい状態で。今は、産休の友人とか昼間しか時間が取りにくい人とも会いやすくなった。

暮らし~困ったり、改善してほしいこと~

意見①

お金で何かを得るというのは諦めた。
趣味分野の有料配信も、一般的にはお小遣いで払える値段でも、今の自分には難しい。社会人だと仕事をして、仕事上で人との繋がりや目標も持ちやすいけど、働いていないとそういうのがなくなるから、何か見失ったような気がする時もある。孤独にもなりやすい。何度かムリして働いてもみたけれど、ムリはやっぱり続かないし、病状も悪化してしまう。

意見②

私は手続き作業が苦手だから、担当ケースワーカーとの主な連絡手段が電話というのが厄介。中々繋がらないし。この時間帯ならいますというのをwebで知れたらいいな。風俗店サイトのパネルみたいだけど(笑)。メールで問い合わせられるとかね。
お金の面では、セックスワークしてた頃も派手にお金を使ってたわけじゃないから、生活水準はそんなに変わってない。でもやっぱりスマホ代とか安くしたいし、趣味の本も中々気軽には買えないのは辛いな。

質問コーナー

Answer:
保護費の範囲なら自由です。でもペットによっては医療費なども大きな負担になる場合もあるので慎重に検討しましょう。

Answer:
働けます。ただムリはしないで。そして働いた分はケースワーカーに報告してください。保護費は減額されますが、就労収入の全額が減らされるわけではなく、手取りは増えます。労働での収入が保護費を超えてもしばらくは、保護費休止でしばらく様子を見て生活が安定してからの受給廃止となります。職種は問われません。

体験者からのアドバイス

アドバイス①

生活保護ってお金のこと。特にセックスワーカーは出来高制の中の不安定な中でお金を稼ぐことが目標の人も多い。だけど生活保護を受けるとお金の状況が大きく変わるから最初は金銭感覚や時間の過ごし方が大変だと思うかもしれない。そこは調整せざるを得ないけれど慣れてくるから。のんびり生きることの事のコツも知れる。

また労働の場に戻れる人は戻すシステムでもあるから働けるようになったらムリせずボチボチ様子を見て、しんどかったらまた休むとかしながら復帰できるよ。もちろんしんどいうちは就労を勧められても「検討します」とやんわり流してもいいし。

アドバイス②

わからないこと、出来ないことはケースワーカーに頼って解決できるよ。

基本的にこちらから手続しないと物事は進まないのでケースワーカーとのやりとりは必要。自分の暮らしに使いやすいようカスタマイズしていくのも大事。
受給者のコミュニティ、ネットワーク、場というものがあまりないから出来たらいいよね。

最後に

生活保護は

地域や世帯の状況によっても受給額など違いがあります。

昨今は改善も進みつつありますが、残念ながらまだ水際作戦をする担当者もいます。

なので受給を検討しながら頼れる支援、相談所を探すのも大事でしょう。

参考になるサイト、相談先を紹介します。

編集あとがき

座談会で印象的だったのは、お二人とも生活保護を自身の生活の手段として、ガマンや受け取るばかりではなく、

必要なことは聞き要求し交渉しているという姿勢でした。

日本では残念ながら生活保護という大事な制度を学生や若い頃に教わることはマレで、受給者がバッシングを受けることまであります。セックスワークも偏見を持たれやすいという点では共通していますね。どちらもあってはならない偏見です。

他の仕事なら、その労働と生活保護受給の間には有給や傷病手当、失業保険等の段階があります。セックスワークは雇用関係にない形態が殆どで、働けないことが、生活の困難とダイレクトに接続されやすいのが現状です。

セックスワークに限りませんが、

労働環境を良くすることと生活保護の水準も上げることは両方大事

なのだなと改めて感じました。より使いやすい制度にしていけるように、みんなで考えて課題は解決していけるよう、今後もSWASHはセックスワーカーがセックスワークの仕事をすることも、仕事を辞めること休むことも共に、安心して選べる環境を目指したいと思います。

自身が、友人知人が、必要になったときに思い出してもらえたら幸いです。

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