HIVの予防薬PrEPってどんな薬?
2023.01.31
1、PrEPって何ですか?
→Pre-exposure prophylaxisの略で、日本語では「曝露前予防」と呼びます。
おそらくご質問は「HIVのPrEP」だと思います。
抗HIV薬を毎日1錠飲むことで、HIVのウイルスが体内に入ってきても感染を防ぐことができます。2、どんな人が飲むHIVの予防薬ですか?
→パートナーがHIV陽性で、まだ抗HIV薬を飲んでいない、または飲み始めて間もないときに自分への感染を防ぐために内服します。
パートナーの数が多い、sex workをしている、などの場合も服用している人がいますが、HIV以外のクラミジアや淋病、梅毒などの感染症を防げるわけではありません。
3、値段はいくらしますか?
→1錠400~500円くらいが相場だと思います。4、PrEPを使うキャスト、コンパニオン、風俗嬢、セックスワーカーはいますか?
→いますが、説明をすると「やめておく」という人も少なくありません。5、PrEPをすれば、コンドームを使わなくていいですか?
→「PrEPがあるからコンドームは不要」という考えは正しくありません。
また、HIVのPrEPは理論的にはB型肝炎の予防も期待はできるのですが、完全ではありません。性感染症を防ぐには、まずB型肝炎のワクチンが必要です。
C型肝炎はワクチンがなくコンドームなしの性交渉であれば感染します。6、PrEP飲むなら、最低限守ってほしいことは何ですか?
→B型肝炎のワクチンをうつこと、HIV(とB型肝炎)以外の感染症の予防には
ならないことを知っておくことをまず知ってもらわねばなりません。
次に副作用です。PrEPで腎臓の機能が低下する可能性があることは有名です。
sex workerのなかには、初めから腎臓が悪くなっている人が少なくありません。
この最大の理由は「鎮痛剤の飲みすぎ」です。プロテインパウダーなどのサプリメントで腎臓を悪くしている人もいます。このような人がPrEPを開始すると大変なことになります。また、元々腎臓に問題がなかったけれど、PrEPの長期服用で腎臓を悪くしている人もいます。腎臓は一度悪くなれば元通りにはならないと考えてください。
もうひとつは「骨がもろくなる」副作用です。PrEP長期服用では、かなりの確率で骨量が低下します。将来の骨折や骨粗しょう症のリスクが上がります。7、PrEPで防げない感染症をどう防ぐか?
→ワクチン(HBVB型肝炎、HPV子宮頸がん、HAVA型肝炎)とコンドームが重要です。
(悪化させない、広げないという意味では)定期的な検査も重要です。